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愛について   

愛について               ―その「愛」はどんな愛?―


 万能の天才と言えばレオナルド・ダ・ヴィンチですが、彼を上回る天才を御存知でしょうか?
 スウェーデン出身のスェーデンボルグという万能の天才は、IQ 300以上で測定不能と言われた人で、ラテン語で著作、光学、哲学、数学、精神分析、夢分析、航空力学などを研究、神学、哲学、語学に堪能で数ヶ国語を操り、鉱山技師、議員などを歴任し、篤実な人柄でも知られていました。
 彼の著書に以下のような記載があります。

「ほとんどの女性は、パートナーや夫が何を考えているか、どんな精神状態でいるか、自分を愛しているかなどを逐一見抜いて良く理解しているが、男性は女性の感情や愛については全くと言って良いほど盲目である。」

「人間とは、その者の愛そのものである。」

 続いて以下のように述べています。

「ある人間が、自己人生において最も愛している物、それがその人自身である。」

 これでもまだよくわかりませんが、次を読むと理解できるでしょう。

「ある人が、何よりも金を愛しているならば、その人は金銭欲のために生きる人である。
 ある人が、何よりも権力を愛しているならば、その人は権力欲のために生きる人である。
 従って、ある人が心底愛している物が何かわかれば、その人がいかなる人間であるかが理解可能である。」

 これでお分かりになりましたね。言われてみればその通り。


 ある人が言います。
「お前を愛している。」
 でも、知らなければならないのは、その「愛」がどんな愛なのかです。

 ある男性は、親の愛情が希薄であった事、虐待されて育った事などがあり、本人の劣等感が非常に強いため猜疑心が強く、嫉妬心が異常なまでに強く、すぐ切れて暴力を振るい、仕事もせずにヒモのような生活をしているのに、プライドだけは高くて威張り散らす――それが「愛」だと思っています。

 ある男性は、質の良い両親の愛情を受けて育ち、自分に自信があるから威張る事も妬む事もなく、忍耐強くで冷静沈着、真面目な努力家で経済的にも安定しており、仕事熱心で職場でも信頼されていて、女性や子供に優しい――それが「愛」だと理解しています。


 親の愛も同じです。
 
 我が子を奴隷のように扱い、気に入らなければ当り散らし、家族や他人の悪口や愚痴ばかりを垂れ流し、思い通りにならないと暴力を振るう――それが「愛」だと思う親もいます。

 我が子の人格を認め、忍耐強くて少々の事では動じない。できるだけ子供が納得できるようにきちんと物事を説明し、家族仲も良好で経済的にも責任を負う――それが「愛」だと理解している親もいます。


 以上のように、個人の愛も大切ですが、国家レベルの愛も、国民にとっては運命を左右し、時には生きるか死ぬかの方向性を決定する重要事項であることは、今更言うまでもありません。

 ある国の人が、商用でアラビア諸国を訪れました。運の悪い事に、仕事で駆け回っている内にイスラム過激派に捕らえられたのです。
 その国の首相はこう考えました。
「アラビア諸国は問題も多いが、石油産出国は我が国の需要な取引相手であり、今後とも友好関係を保たなければならない。
 また、国民の命を大切にしなければ、首相としての地位も危うくなる。
 人道的な意味でも、金で命が救えるなら安い物だ。国際的にも、人命を最重要視していると評価されることになる。」
 こうして、首相の英断で200億もの身代金が支払われ、人質は無事解放されたのです。イスラム過激派だって、何の関係もない民間人を意味もなく殺す事が目的ではなく、身代金が欲しいだけでしたから、金さえ受け取れば人質を殺害するつもりなど最初からありませんでした。
 もちろん、首相の命令で、ありとあらゆる過激派とのパイプが利用され、陰ながら活躍した人々が大勢いましたが、最終的に人命が救助されたのですから、国民は首相の英断に喝采したのです。

 別の国の人が、商用でアラビア諸国を訪れました。運の悪い事に、この人も、仕事で駆け回っている内にイスラム過激派に捕らえられたのです。
 その国の首相はこう考えました。
「しめしめ、イスラム過激派は残酷だから、金を払わなければ人質は殺されるだろう。
 私は我が国を独裁支配し、世界で有数の軍事大国にしたいのだ。人質が殺されれば、愚かな国民も軍備増強の必要性を理解できるだろう。
『国民の命を守るためにこそ、軍事力と戦争が必要なのだ』――そう言ってやろう。国民の命を犠牲にすることによって軍備増強を納得させ、国民が戦争で死ぬようにしてやろう。
 国民の命を守るため――ハッハ、そのために人質を殺させ、それを叩き台にして軍備増強と戦争を実行し、膨大な数の国民が死ぬのを眺めてやろう。全て私の意のままだ!
 国民の命? それは本来、為政者のために存在する。国民が私のために権力者のために死ぬのは当然だ。
 国民を弱体化させ、決定権を奪えば奪うほど、人間というものは強者にしがみつき従順になる。これからも徹底的に国民の権利を奪い、収入も積極的に減らしてやろう。私が全権を握る日も遠くない。」
 こうして、首相の命令で身代金はびた一文支払われず、首相と官房長官によるイスラム過激派の挑発と侮辱が繰り返されたため、過激派は本当は人質を殺害する気はなかったのに、最終的には人質は公開処刑され、世界の見守る中、首を切断されて惨殺されたのです。全ては首相と官房長官の画策によるものでした。
 良心的な国民は首相を憎んでデモ行進しましたが、首相は警察と機動隊を導入し、暴力で国民の声をねじ伏せたのです。
 殺害された家族は悲しみましたが、首相の手下である右翼のバッシングにより、泣く事すらも許されず、悲しみで動揺してしろどもろどになった犠牲者の母親も、同じく右翼にバッシングされ侮辱されて、気の毒がられるどころか、全国の笑いものにされたのです。全ては首相の差し金でした。
 それからほどなく、首相は以下のような声明を出しました。
「私は卑劣なテロを絶対に許さない! きっと必ずISに復讐する! 
 私は我が国に誇りを取り戻し、愛国心を取り戻します。そのために私は軍備を増強し、徴兵制を実施する。憲法も改正して、首相が緊急事態宣言すれば、ただちに戦争ができる国家を作り上げる所存でございます。」
 国民は震え上がりましたが、既に秘密保護法が実施され、国民には首相が何を考えているのかもわからなくなっていたのです。
 おまけに、テレビや新聞、週刊誌やネット情報さえも、北朝鮮並みに制限されていました。
 それでも足りぬとばかりに、首相は盗聴法を通過させ、全国民の日常会話までが首相に盗聴されるようになったのです。
 国民はどんどん税金を上げられ、福祉費用はカットされ、徴兵制で父親や子が戦地で死に、ひどい目に逢いました。
 一方、首相や首相の仲間の与党政治家は、以前にも増して豊かになり、国民の不幸を嘲笑っていたのです。

 人質を救った国家の首相が愛していたのは、一人一人の国民でした。この首相にとっては、国家=国民だったのです。
 人質を殺害させた国家の首相が愛していたのは、首相自身でした。この首相にとっては、国家=首相だったのです。

「愛国心」
「国を愛する」と言っても、その愛がどんな「愛」なのか、その国家の定義は何であるのか、重要なのはそこであって、「愛国」という虚しいだけの言葉には何の意味もないのです。


 さて、ある国の首相は考えました。
「国家を豊かにして国力を強化するには、食糧自給率を上げ、一人一人の国民が豊かになり、貧しい家の子であっても最高の教育が受けられるようにして、国民の購買力を高め、内需を拡大、さらに教育の普及によって、国民の教育水準を底上げするしかない。」
 この首相はそれを実行するために、農家を保護し、教育に予算を回し、大企業の法人税を少しずつ上げました。
 時間外加算の温存、過長労働の禁止、正規雇用の促進など、99%の国民の暮しが楽になるよう、全力をあげたのです。大企業は不機嫌になりましたが、首相はこう言ったのです。
「国家の内需が上昇すれば、決して企業体に損が出ることはない。
 また、国際経済がどう動こうが、食糧自給率と内需が上がれば、深刻な影響を受けずに済む。
 たとえイギリスがEUから離脱したとしても、国家が安定していれば困る事はない。
 目先のことではなく、長期的な国益を考えるべきだ。」

 すると本当に少しずつ、国の景気は回復し始めたのです。

 同時に治安も良くなりました。他人を殺さなくても生きていけるなら、誰だって殺人など犯しません。短期的には企業の収益は悪化しましたが、数年も経たない内に、逆に黒字に転じたのです。
 首相は何よりも、現場の声に耳を傾けました。どんなに賢明な首相であっても、現場の人間こそが、各職業の最前線のホットな情報を握っていると熟知していたからです。専門性の高い識者の意見を生かすことにより、全方面的にあらゆることが改善されたのです。

 首相は余剰な黒字を利用して、少しずつ社会福祉の充実に着手しました。高齢者の医療費負担減、介護保険の充実、全ては、国民の収益と生活を改善させるための政策でした。

 この結果、たとえ自分の親が寝た切りになったとしても、家族は安心して仕事が出来ましたし、保育園も病児保育も充実したので、女性も仕事に専念できました。
 それどころか、豊かになった女性達は、夫の給料が上がり、介護その他の支出が減ったので、専業主婦になって生後3年間は育児に専念できるようになったのです。
 低年齢で保育園に入れてしまうと、いくら予防接種を打ったとしても感染を阻止することはできません。3歳未満の細胞性免疫は弱いからです。
 けれども、3歳を過ぎてから幼稚園や保育園に入園させれば、感染症になる危険も、重症化して入院する危険性も激減するのです。

 こうして十年も経つ頃には、この優れた首相の国民主体の政治によって、国民の99%以上が豊かになり、老後の心配も家族の病気の心配もなく、豊かさを享受できるようになったのです。


 ところが、他の国の首相は、全く逆のことを考えたのです。
「首相と与党議員、権力者が豊かになるためには、一人一人の国民の所得が、全部、合法的に政府と権力者、超富裕層に流れ込むような社会を作ればよい。
 食糧自給がどうなろうが、農家が潰れようが、そんなことは知った事か。
 それに加えて、国民の子供には、徹底的に愛国心と国家への忠誠を教育してやろう。決して国家、我々エリートに逆らわないようにな。 
 教育水準も下げてやろう。超富裕層しか質の良い教育を受けられないようにするのだ。そうすれば貧乏人は一生涯貧乏人のままだ。我々エリートを脅かせないようになる。」
 この首相はそれを実行するために、農業を保護する事も止め、教育予算も削り、大企業の法人税を少しずつ軽減しました。
 時間外加算のカット、過長労働の黙認、正規雇用の減少と非正規雇用の促進など、99%の国民が貧しくなるよう、全力をあげたのです。大企業は大喜びでした。首相はニヤニヤしながら言ったのです。
「富裕層、大企業が前以上に豊かになれば、貧しい国民は富裕層や大企業以上に金持ちになる。
 また、大企業が儲かれば、税収だけに頼らなくても国益には寄与できる。」
 
 腹の中では、こんなことを考えていたのです。

(馬鹿な国民ども、金持ちがどれだけ金持ちになったところで、お前らに払うバカなどどこにもいない。
 今さえ、俺さえ、自分さえ良ければ良いのだ。国民など知った事か!)

 以上の結果、確かに大企業や与党政治家は豊かになりましたが、国民は前以上に貧しくなり疲弊して、購買力は最低になり、国の景気はいつまで経っても低迷し続けたのです。

 同時に治安も悪く良くなりました。他人を殺してでもお金を手に入れなければ、貧しい人々が生きれらなくなったからです。
短期的には企業の収益は改善しましたが、内需がどんどん悪化したので、数年も経たない内に、逆に赤字に転じたのです。
 首相は何よりも、自分達の支持層と仲間内の情報に声に耳を傾けました。どんなに賢明な首相であっても、現場の人間こそが、各職業の最前線のホットな情報を握っているなどということは、愚かな首相には想像することさえできなかったのです。専門性の高い識者の意見は踏みにじられ、全方面的にあらゆることが退歩したのです。

 首相は景気の低迷を恐れ、どんどん社会福祉をカットしたのです。高齢者の医療費負担増、介護保険の縮小、全ては、権力者と大企業だけ、収益と生活を改善させるための政策でした。

 この結果、たとえ自分の親が寝た切りになったとしても、家族はびた一文、政府から受け取れなくなりました。保育園も病児保育も慢性的に不足しているので、女性も仕事に専念できましせん。
 それどころか、貧しくなった女性達は、夫の給料が下がり、介護その他の支出が増えたので、育児をする時間さえなくなったのです。低年齢で保育園に入れてしまうと、いくら予防接種を打ったとしても感染を阻止することはできません。3歳未満の細胞性免疫は弱いからです。
 それだけではありません。低年齢で保育園に入園すると、しょっちゅうカゼその他の感染症に罹患しますから、打ちたいワクチンでさえ打てないままになり、子供達が病気になるのです。
 そうです。3歳未満、時には0歳で幼稚園や保育園に入園させると、感染症になる危険も、重症化して入院する危険性も激増するのです。

 こうして十年も経つ頃には、この愚劣で残酷な首相の国民主体の政治によって、国民の99%以上が惨めに貧しくなり、老後の心配も家族の病気の心配も倍増し、誰もが貧困に苦しむようになったのです。


 愛――ある人の愛がどんなものであるかがわかれば、その愛を語り実践している人間の正体も、つまびらかに見えてくるのです。
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