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我が隣人に花束を 

我が隣人に花束を           ―野に咲く花も鳥達も―

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我が隣人に花束を。

遠路はるばる訪れた、
ブラジル人にペルー人、
ボリビア人にイタリア人、
フィリピン人にベトナム人、
中国人に韓国人、
在日朝鮮人に部落出身者、
アイヌの人々、日本人、
アメリカ人にハンガリー人、
インドネシアの父と母、
そして子供達……


ある母親はペルーから、
夫に呼ばれて日本に来た。
腕には5か月の赤ん坊、
日本語は挨拶ができるだけ。

不幸なことに、
夫は交通事故で死に、
母は悲哀と絶望を胸に、
生活保護でようやく暮らしていた。
その眼差しに宿る悲しみに、
関係ない者までが目を伏せた……

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ある母親は韓国人、
日本で次男を出産したが、
我が子が呼吸不全で入院した。

その母は日本の医療を信じ、
大学病院の医師と看護師は、
最先端の医療でもって、
赤ん坊の命を救い、
後遺症なく退院できたのだ。

母親は晴れやかに主治医に言った。
「ありがとうございました。」と。


悲しい目をしたフィリピンの女性。
彼女はまだ二十代だが、
夫は65歳を過ぎた元暴力団。
妻子のために足を洗ったが、
やがて病気で寝たきりに……


フィリピンの女性が我が子の手を引き、
二人で日本を訪れた。
子どもの名前はフィリピン名で、
日本語はこんにちはぐらいしか話せない。
近頃ようやく父の戸籍に、
入籍できたということだ。

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可愛らしいベトナム人の女性が、
日本の夫と結婚した。
今では日本語も大抵不自由なく、
子供はちょっといないぐらい可愛い男の子だ。


ボリビアの若い母、
まだ二十歳になったばかり。
乳飲み子を腕に抱いている。
保健婦が聞いたところでは、
夫が不倫で家を出て、
女と同棲しているという。
夫は同じボリビア人、
不倫の相手はルーマニア人だと言う。
彼女もほとんど日本語を話せない。
夫に呼ばれて日本へ来たが、
こんな形で捨てられたのだ。


中国人の両親が、
高熱を発した娘を連れて、
総合病院を受診した。
病名は腸間膜リンパ節炎だった。
治療内容は妥当だったが、
なかなか熱が下がらない。
不安になった両親は、
さらに大きな病院に転院した。
最初の治療と同じ抗生剤で、
その日の内に解熱したが、
両親には日本人が信じ切れなかった。
ネトウヨの暴言と、
安倍首相の演説を聞いたからだった。

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ある小学生がいじめにあった。
いじめたのは同じ日本人。
いじめられっ子も日本人。
クラスには在日の男の子が二人居た。
哀れな少年をいじめなかったのは、
在日の二人だけだった。


アイヌの少年がいじめに遭った。
日本人の子供達が、
こぞって彼をいじめたのだ。
すっかりぐれた少年は、
大規模な暴走族のトップになった。
誰一人彼に逆らう者は居らず、
数十人を相手にしても、
たった一人で相手を全滅させたのだ。
けれども少年の心に在ったのは、
自分同様、
日本人に徹底的にいじめられ、
ついに自殺したアイヌの親友数人だけ……
彼の心は荒みきったが、
それは誰のせいだっただろう?
彼は喧嘩に明け暮れたが、
誰が彼を責められただろう?


在日の少年がいじめに遭った。
担任も笑って見ているだけ。
PTAでも話題にされず、
毎日、毎日、いじめられた。
長じて彼は暴力団に入り、
命じられて人を殺し、
何年か刑務所に収監され、
出所後もなお暴力団に利用され、
ついにたまりかねて足を洗おうとしたが、
とても払えない額の借金を負わされた。
前以上に不幸になったかつての少年は、
覚醒剤に手を染めて、
最後は飛び降り自殺した。

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野に咲く花や鳥達が、
人を人種で差別するだろうか?

主人に買われる飼い犬が、
やさしい女性の飼い猫が、
飼い主の人種を差別するだろうか?

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猫や犬、
小動物を虐待する人が居る。
そうかと思えば、
捨てられて死を待つ犬猫を、
何とか救おうとする人もいる。
虐待する者は残酷であり、
救おうとする人は慈悲深い。
どちらが一人の人間として、
優れているかと言うならば、
それは今更言うまでもなく、
救おうとする人だろう。

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マイノリティーを差別して、
暴言を吐く人が居る。
そうかと思えば、
マイノリティーを庇う人もいる。
差別者は人品下劣で残酷だが、
庇う人こそは一人の人間として、
気高い人だと人は言う。

花や鳥や動物さえも、
人を人種や民族で差別しないのだ。
だとすれば差別する者は、
花や鳥や獣よりも、
劣る者ではあるまいか?

我が隣人に花束を……

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